第四章
4.処方の問題、インフォームド・コンセント(説明義務)、モニタリング(観察義務)
4.1 処方の問題
4.1.1
下記はウェインの症例において依存症形成のリスクを増加させたであろういくつかの要因である。
- 長期間の処方
- 多剤処方
- 処方の適合性
- インフォームド・コンセント(項目4.2参照)
- モニタリング(項目4.3参照)
(1)長期間の処方
4.1.2
第三報告書、及び以前の報告書で述べたように、ウェインの症例の依存症形成に関する危険因子は、ただ長期間の処方のみにより約50~100%増加したであろう。
(2)多剤処方
4.1.3
第三報告書、及び以前の報告書で述べたように、上記の危険因子は、複数の組み合わせでベンゾジアゼピンが処方された事実により、さらに増加したであろう。これは、ベンゾジアゼピンはお互いの相性が悪く、組み合わされた場合には副作用や依存形成の可能性が増大するからである。
(3)処方の適合性
4.1.4
まず、ウェインに処方された薬剤の適合性を確認するために、我々はそもそもそれらが最初に処方された理由を考慮すべきである。
4.1.5
それらの効能、消失スピード、または効果持続時間に関わらず、全てのベンゾジアゼピンの治療効果は実際同じで、下記のとおりである。
- 精神安定作用(不安の軽減)
- 睡眠作用(睡眠の促進)
- 筋弛緩作用(筋弛緩)
- 抗けいれん作用(けいれん発作の抑制)
- 健忘作用(外科的処置の鎮静作用)
4.1.6
X医師が、ウェインが“中脳水道症候群”を患っていると診断したことを当職らは証拠により承知している。また、最初にウェインを診察したSTRC病院のK神経科医と、後にウェインを診察したハッチンソン神経内科医は共に、“前庭障害”を疑ったことも承知している。
4.1.7
これらのどちらの診断にも適した治療方法として、ベンゾジアゼピンの治療効果に関して、ハッチンソン医師は下記の情報を2008年2月11日付の彼の書簡で提供した。
“当職はSTRC病院の医師たちの見解(診断)に同意しており、2000年5月にダグラス氏は、Acute Vestibulopathy(急性前庭障害)を呈していた蓋然性が極めて高い。
“様々な神経学的疾患(例えば、小脳梗塞や多発性硬化症)において、Acute Unilateral Peripheral Vestibulopathy(急性片側性末梢前庭神経炎)と似た症状を呈することがあるが、脳MRI検査で陰性であればそれらは除外されるか、またはその可能性は極めて低くなる。メチルプレドニゾロン投与で、Acute Unilateral Peripheral Vestibulopathy(急性片側性末梢前庭神経炎)を呈する患者の末梢前庭機能の回復が、顕著に促進される(3)。患者はまた、点滴剤や制吐薬を投与されることもある。“
“中脳水道症候群はまれであり、現代の神経内科で遭遇することはほとんどない。2008年2月、Pubmed(学術文献検索サービス)において、“中脳水道症候群”という検索ワードで文献検索を試みたが、1966年以降では23文献しか出てこず、過去20年に限っては、たった3文献のみであった。中脳水道症候群とは、垂直視麻痺、瞳孔反応の異常、上眼瞼後退、輻輳後退眼振等の特徴を示す症候群のことである。輻輳麻痺及び斜方偏位も起こり得る。中脳水道症候群は、通常、シャント(バイパス)手術を受けている水頭症患者において、シャントが閉塞された場合に起こる(4)。また、個別症例報告では、中脳梗塞(5)、多発性硬化症(6)、視床出血(7)、松果体部の腫瘍(8)、片側性中脳病変(9)を患う患者においても、この症候群が報告されている。ダグラス氏がこれらの神経学的兆候を示していなかったことは明らかである。それよりも重要なことは、脳MRI検査で、彼には中脳水道症候群を生じうる、水頭症あるいはその他のいかなる疾患も示されなかったことである。“
“当職は、2000年のダグラス氏の治療において、ベンゾジアゼピン系薬剤が有効であろうと考えられた理由が、理論的にも、その他の根拠においても解らない。ベンゾジアゼピン系薬剤は、直接的に有効な制吐作用あるいは抗目眩作用を有しておらず、Acute Unilateral Peripheral Vestibulopathy(急性片側性末梢前庭神経炎)の治療に明確な有効性はない。更に、ベンゾジアゼピン系薬剤は、中脳水道症候群を生じうる、水頭症あるいはその他のいかなる疾患の治療にも効果はないと考えられる。“
4.1.8
不安症の適切な治療としてのベンゾジアゼピンの治療効果に関して、それらは急性心的外傷の治療(せいぜい約2~4週間まで)には効果があるが、依存症が急激に形成されるという理由のため、長期の定期的治療としては適していない。
“英国医薬品安全委員会及び英国王立精神医学会は様々なステートメント(1988年及び1992年)にて、ベンゾジアゼピンは長期使用には不適で、一般的に2~4週間の期間のみで処方されるべきである”との結論を下した。(Benzodiazepinesベンゾジアゼピン:How They Work and How to Withdrawal.その働きと離脱方法 C.H.アシュトン教授 2002年8月改訂―オンラインバージョン2/10頁、第二章参照)。
4.1.9
続いて、これらの薬剤がなぜ処方されたのか、不安症のためか、或いは中脳水道症候群の治療のためであったか、という理由に関わらず、ウェインの治療が望ましいものであったと考慮することはできず、それが長期に渡った結果、最終的にベンゾジアゼピン依存症の形成に至った。
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4.2 インフォームド・コンセント(説明義務)
4.2.1
下記は、ウェインがベンゾジアゼピンの多剤処方に関する適切なインフォームド・コンセントを受けていなかったことを示すいくつかの目安である。
- X医師の診断に不安症は含まれていなかった
- (調停中に)報告された処方の理由
- 薬物に関する情報を求める努力
- ウィットウェル医師の患者カルテ情報
- 当科への来院
(1)X医師の診断に不安症は含まれていなかった
4.2.2
まず、ウェインに処方された5種の薬剤のうちの4種は不安症の治療に用いられ、それには3種の異なるベンゾジアゼピンと1種の三環系抗鬱薬が含まれている。
しかし、X医師の患者カルテ情報は明らかに、不安症、疾患を診断した記録がないことを示しており、不安症の治療に関するいかなる記入も全治療期間中の彼の患者カルテ情報には見られない。
これは、ウェインの、不安症の治療に関する話し合いは全くなかったという口頭での報告を裏付けるものである。
(2)調停中に報告された処方の理由
4.2.3
調停中の、何故3種の異なるベンゾジアゼピンと1種の三環系抗鬱薬が処方されたのかという質問に、X医師は、“急性目まい発作は恐ろしく、不安を伴うことが多いので、この処方に“ちょっとした何かを加えよう”と決めた”と答えたとの報告を当職は受けている。
“ちょっとした何かを加えよう”とは、かなり控えめな表現のようだ。その理由、やはり、処方された薬剤の殆どは不安症の治療の目的のものであったため、ウェインはこれに関して、治療開始前のまさに最初の診察時に、起こり得るリスクと他の治療選択肢の説明と共に、適切なインフォームド・コンセントを提供されるべきであった。
(3)薬物に関する情報を求める努力
4.2.4
ウェインは2000年10月頃から彼の状態がより明らかに悪化し始めた時、彼がX医師より処方された薬物に関する情報を求めるあらゆる努力をし始めたと報告している。
4.2.5
これらの努力には、X医師が利用した薬局に問い合わせたこと、家族や職場の同僚に情報収集を頼んだこと、及び、後にOセンターの薬局で情報を聞き出したことが含まれた。
原注:ウェインは上記の調査の結果集めた情報の写しを保持しているとのことである。
4.2.6
ウェインが薬物に関する情報を求める努力をしていた事実は、彼の診察中に、ウェインが考える、適切な情報を受けなかったことをさらに示している。
(4)ウィットウェル医師の患者カルテ情報
4.2.7
2001年4月10日付のウィットウェル医師から当科への紹介状に、“彼(ウェイン)は、これら(薬剤)は日本においてインフォームド・コンセントなしで処方されたと言っている”とある。
ウェインは、ウィットウェル医師からベンゾジアゼピンの中毒性を教わるや、X医師からどの段階においてもこれに関して何も言われなかったことに驚き、続いて、上記のコメントを出したとの報告をしている。
原注:この時点において、ウェインのたった一つの関心事は再び回復することであったということも考慮せねばならない。彼は、訴訟を起こす考えは全く持っていなかったし、実際にそういう状況になっていなければ、インフォームド・コンセントを受けなかったと発言するその他の理由は何もなかった。
(5)当科への来院
4.2.8
当科への来院の際、上記の努力(4.2.2~6)にも関わらず、ウェインは薬剤の特性について殆ど何もわからず、また、なぜそれらが処方されたかの理由もわからなかったことが明らかとなった。彼が理解していた限りでは、3種の異なるベンゾジアゼピンと1種の三環系抗鬱薬を含む全ての薬剤は“中脳水道症候群”の治療のために処方されたものであった。
原注:ベンゾジアゼピンの特性を教わるや、ウェインは薬物中止への猛烈な願望と決意を示し、そのことは、彼は薬物に依存するようなパーソナリティを有していない事実を更に支持している。続いて、もし彼が適切にベンゾジアゼピンの特性と起こり得るリスクを知らされていたならば、ウェインは他の治療選択肢を考慮した可能性もある。
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4.3 モニタリング(観察義務)
4.3.1
下記はウェインのベンゾジアゼピン治療が十分に監視されていなかったことを示すいくつかの目安である。
- 依存症の形成
- 調停中に報告された“知識不足”の自白
- 耐性の兆候が見落とされたこと
- 離脱症状が見落とされたこと
- アルコール摂取の許可
- 依存症のためのモニタリングの記録がないこと
(1)依存症の形成
4.3.2
ウェインが依存症を形成したという単純な事実は、モニタリングが適切でなかったことを示している。
(2)調停中に報告された“知識不足”の自白
4.3.3
A弁護士が調停中、X医師に、患者の依存症形成を認識することに関して何を予期すべきか理解していたか問うたところ、答えは“いいえ”であったとの報告を受けている。
4.3.4
患者が依存症を形成している可能性がある時に何を予期すべきか、及びその状態を認識できるかは、ベンゾジアゼピンを処方する全ての医師にとっての基本的な責任である。
4.3.5
更に、医師らはまた、患者に何を予期すべきかを知らせ、また状態に何か変化が見られれば即座に報告するよう伝えるべきである。(いかなる新たな症状などでも)
(3)耐性の兆候が見落とされたこと
4.3.6
当職の第三報告書、項目2.1に述べたように、ウェインは治療開始後約1カ月半の時点で耐性の兆候を示した。適切なモニタリングシステムが整っていたならば、これは発見されており、それに続き治療も見直されていたであろう。
4.3.7
ウェインの陳述書によると、8月に彼が動悸を生じたことを訴えると(治療開始後約1カ月半の時点)、X医師は、“入浴直後に冷たい水を飲まないように”及び“入浴中に胸までつからぬように”との答えを提供した。ウェインの食欲の低下に関しては、X医師は、“もっと食べなさい”と答えた。その後数カ月して、その他のウェインの状態悪化の訴えに関しての答えに含まれたものは、“最近の悪天候のせいで気分が良くないのであろう”及び“もっと強くならねばならない”であった。
4.3.8
上記のコメントにより、患者が依存症を形成している時に何を予期すべきか理解していないことに関しての調停中のX医師の自白が支持される。
(4)離脱症状が見落とされたこと
4.3.9
当職の第三報告書、項目2.2.で述べたように、ウェインは治療開始後約4~6カ月の時点で耐性による離脱症状を生じていた。適切なモニタリングシステムが整っていたならば、これは発見されており、制限された減量を実行するために治療も見直されていたであろう。
(5)アルコール摂取の許可
4.3.10
ウェインの報告によると、X医師は最初の処方時に、薬物治療の期間にアルコールを摂取しても大丈夫だとアドバイスした。
原注:これはX医師の患者カルテ情報の、“週1回飲酒”(10頁参照)という記入と合致する。
4.3.11
しかし、このアドバイスに反して、患者はアルコールを避けるようアドバイスされるべきで、また、相加作用と副作用の増加の起こり得るリスクについて知らされるべきである。
“ベンゾジアゼピンは他の中枢神経抑制薬との相加作用があり、それには、その他の睡眠、鎮静抗鬱、神経弛緩、抗けいれん、鎮静抗ヒスタミン、及びアルコールが含まれる。アルコールとベンゾジアゼピンが組み合わされた場合の抑制の利かない結果は付加的なもので、攻撃性のある行動に至らしめる可能性がある。ベンゾジアゼピンを処方されている患者はこれらの相互作用の警告を受けるべきである。”(Toxicity and Adverse Consequences of Benzodiazepine Use.ベンゾジアゼピン使用の毒性と悪影響 C.H.アシュトン教授 オンラインバージョン2/12頁参照)。
(6)依存症のモニタリングの記録がないこと
4.3.12
X医師の患者カルテ情報には起こり得る薬物依存症に関するモニタリングの記録が全く含まれておらず、そのことはモニタリングが不十分であったこと、そしてそれにより最終的にウェインのベンゾジアゼピン依存症形成に至った事実を更に支持するものである(乙A1号証)。
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4.4 臨床的考察
下記は処方、インフォームド・コンセント及びモニタリングに関する考察事項のリストである。これらの殆どはニュージーランドの法律を踏まえた例と世界保健機構による勧告に基づいている。当職が日本の法律に詳しくないため、日本のガイドラインに関連して言及することはできないが、ウェインの弁護士がこの点については明確にできると確信している。
4.4.1
以前の報告書で述べたように、依存症が急激に形成されるという理由のため、ベンゾジアゼピンは2~4週間以上は処方されないよう勧められている。(項目4.1.8の参照文献を参照)
4.4.2
ベンゾジアゼピンは中毒性の高い薬剤であり、耐性、離脱、副作用及び依存症を含む多くの有害反応を生じ得る。続いて、いかなる薬剤を処方する時でも、適切に管理されていなければ、処方薬が患者、その家族、職場やその他まわりの者に問題を起こす可能性がある。
4.4.3
この理由により、原則として、患者はベンゾジアゼピンが処方される前にリスクについて知らされる基本的権利があり、そうすることにより彼らは自分の健康と暮らしの安定性に関して、十分な情報を得た上での決断(新訳注:治療に賛成するか否かの決断)を下すことができる。
4.4.4
これには、彼或いは彼女の疾患の説明、なぜ彼らの疾患の治療に、この提示されている薬剤が適切と考えられるのかの説明、可能な選択肢の説明が含まれ、予期されるリスク、副作用とそれぞれの選択肢のコストの評価も含まれる。
原注:ニュージーランドの場合、これは2002年4月発行の、ニュージーランド医学会インフォメーション及びコンセントに述べられている。これらの権利はまた、世界保健機構(1994年、2000年)“WHOのすすめる医薬品適正使用”(新訳注:“Guide to Good Prescribing, a Practical Manual”)とも合致する。
4.4.5
更に、医師が中毒性のある薬剤を処方する際、起こり得る薬物依存症の発現、或いは管理を気に留めて監視する必要がある。
原注:これはニュージーランド医学会の必要要件であり、また、香港(香港精神科医学院1997年)、アメリカ合衆国(薬物依存の指針、ベンゾジアゼピン処方のガイドラインワークセッション、メイン)等、その他の国で定められたガイドラインとも合致している。
4.4.6
世界保健機構(1994年、2000年)の“WHOのすすめる医薬品適正使用”は、合理的治療/薬物の処方のプロセスの概要を提供している。それには下記の6段階の定義がある。
- 問題を定義する
- 治療対象を特定する
- 処方の適合性を確認する
- 情報と使用説明及び警告を提供する
- 治療を開始する
- 治療を監視する
4.4.7
上記の4.(情報と使用説明及び警告を提供する)をさらに詳しく見てみると、必要な情報提供には下記が含まれる。
- 薬剤の効能の説明(どの症状が消失するか、それはいつか、薬剤を摂取することがどれほど重要か、服用しなければ何が起こるか)
- 副作用(どの副作用が起こる可能性があるか、どのようにそれらを確認するのか、どのくらいそれらが持続するのか、いかにそれらは深刻なものか、もしそれらが生じた場合どう対処すればよいのか)
- 使用説明(いつ服用すべきか、どのように保管すべきか、どのくらい治療を継続すべきか、問題が起こればどう対処すべきか)
- 警告(すべきでないこと、最大投与量、治療継続の必要性)
- 次回の予約(いつ再診察を受けるべきか、早めの診察が必要な時とは)
- 患者が全てを明確に理解していることを確認
原注:どの薬剤の処方でも、特に多剤処方の際には、患者がその他の薬物を摂取しているか及び薬物相互作用の可能性がないかを考慮せねばならない。
4.4.8
ベンゾジアゼピンは依存性の高い薬物で多くの有害反応を生じる得るため、これらの薬剤を処方する際には“モニタリング”が必要である。
4.4.9
モニタリングには下記が含まれるべきである(1997年WHOのすすめる医薬品適正使用)。
- 疾患が治癒したかどうかの定期的観察。
原注:そうであれば、治療は中止されねばならない。
- 治療が効果的であるかどうかの定期的観察。
原注:そうであるが疾患がまだ治癒していない場合、処方医師は副作用が生じていないか再度患者を診察し、もし重大であれば、治療の見直しが必要である。
- 治療に効果がないかどうかの定期的観察。
原注:もしそうであれば、治療は再検討されるべきである。
4.4.10
上記で述べたように、治療の結果いかなる有害反応でも患者が苦しむことがないよう、適正な医療にはモニタリングが必要であると指示している。
4.4.11
モニタリングには、薬剤がまだ必要であるか、薬剤服用の結果、意図せぬ効果が生じていないかどうかを確かめるための定期的な診察が含まれる。
4.4.12
下記は、患者がベンゾジアゼピン依存症を形成している可能性がある場合の兆候を示す時に取られるべき適切な措置のリストである(1997年WHOのすすめる医薬品適正使用に基づく)。
- 診断の再検討
- 治療対象の再検討
- この患者の治療の適合性の再検討
- 薬剤が正しく処方されたかの再検討
- 患者が治療を正しく理解したか及び薬剤を正しく服用したかの再検討
- 患者が正しく監視されたかの再検討
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4.5 調査結果
4.5.1
前述の証拠は、ウェインが処方に関する適切なインフォームド・コンセントを提供されていなかったことを明白に示している。不安症の治療に関する説明/情報は何もなく、また、提案された薬剤がなぜウェインの疾患の治療に適切だと考えられたかに関するいかなる説明/情報もなかった。ウェインが与えられた情報を基に理解した限りでは、処方は単に“中脳水道症候群”の治療の目的だけのものであった。
4.5.2
X医師が耐性と、離脱と合致する症状の発現の兆候を見落とした事実はまた、モニタリングが不十分であり、また、ウェインが、依存症と副作用の可能性、兆候は何か、またそれらが起こったらどうすべきかに関する適切なアドバイスを受けていなかったことを示している。
4.5.3
X医師の患者カルテ情報は、依存症の可能性を検出するためのモニタリングシステムが整っていなかったことを明確に示している。その結果、バイタルサインが見落とされ、治療を再検討する機会が失われた。
4.5.4
続いて、適切な措置(上記の項目4.4.12で述べた)がとられず、ウェインが彼の悪化している状態を知らせようと努力したにも関わらず、彼はベンゾジアゼピンの処方を繰り返し与え続けられ、彼の薬物依存症の問題を大きくするに至った。
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その翻訳は私自身を含む複数の人によって手がけられました。
私の母国語は日本語ではありませんので何卒ご理解いただきたくお
「もし何かの薬を飲み続け、それが長い長い災難をもたらし、あなたからアイデンティティをまさに奪い去ろうとしているのなら、その薬はベンゾジアゼピンに違いない。」
ジョン・マースデン医師
ロンドン大学精神医学研究所
2007年11月1日
「長期服用者のうち15%の人たちに、離脱症状が数ヶ月あるいは数年持続することがある。中には、慢性使用の結果、長期に及ぶ障害が引き起こされる場合もあり、これは永続的な障害である可能性がある。」
ヘザー・アシュトン教授
医学博士、名誉教授
Good Housekeeping (2003年)
「ベンゾジアゼピン系薬剤はおそらく、これまでで最も中毒性の高い薬物であろう。これらの薬を大量に処方してきた途方もなく大勢の熱狂的な医師達が、世界最大の薬物中毒問題を引き起こしてきたのだ。」
薬という神話 (1992)
「薬があれば、製薬会社はそれを使える病気を見つける。」
ジェレミー・ローランス (ジャーナリスト)
インディペンデント紙 (2002年4月17日)
「製薬会社に対して、彼らの製造する薬について公正な評価を期待することは、ビール会社にアルコール依存に関する教えを期待するのと同じようなものである。」
マーシャ・エンジェル医師
医学専門誌"New England Journal of Medicine"元編集長
「我々の社会において、ベンゾは他の何よりも、苦痛を増し、より不幸にし、より多くの損害をもたらす。」
フィリップ・ウーラス下院議員
英国下院副議長
オールダムクロニクルOldham Chronicle (2004年2月12日)
「ベンゾジアゼピンから離脱させることは、ヘロインから離脱させるよりも困難である。」
マルコム・レイダー教授
ロンドン大学精神医学研究所
BBC Radio 4, Face The Facts
1999年3月16日
「クロノピン(クロナゼパム)とは恐ろしい、危険なドラッグだ。」
この気の毒な問題に取り組む全ての関係者は、トランキライザー被害者の為に正義を提供するよう努めるべきである。
Seems people are all saying the same things over and over…
- I was like a zombie
- It felt like I was in hell
- It was much harder to come off benzodiazepines than anything else I'd ever had before
- It took a chunk of my life away
- It has destroyed my life
- The doctor never told me they were addictive / The doctor told me they weren’t addictive
- When I complained my condition was worsening the doctor prescribed me more...
The informed consent argument formed an integral part of the case because it was needed to prove negligence.
Without negligence there would have been no accountability, and therefore, no case from the outset.
In section 4 of his fourth report, Addictive Medicine Specialist, Dr. Graeme Judson explained the principles of prescribing and informed consent in relation to my case and sample applied.
The monitoring argument also formed an integral part of the case because it too was needed to prove negligence.
As above, without negligence there would have been no accountability, and therefore, no case from the outset.
As with informed consent, in section 4 of his fourth report, Addictive Medicine Specialist, Dr. Graeme Judson explained the principles of prescribing and monitoring in relation to my case and sample applied.
このセクションでは、私が闘った日本の裁判についてお話します。特にそこで現れた、明らかに不当な処置と思われる事例のかずかずを紹介します。これらの事例をわかりやすくお伝えするために、「東京高等裁判所の判決」と「中毒治療科の報告書」への参照箇所(リンク)がいくつか出てくるので是非ご参考ください。また、「中毒治療科報告書」は、一貫して、法的証拠およびDSM-IV-TRの依存症診断基準に基づいて書かれていることにもご留意ください。
(Partial Reference: benzo.org.uk)
Journalists have regularly exposed the Benzodiazepine Scandal with stories of celebrity deaths attributed to benzo use as well as the blighted lives of ordinary people.
Benzodiazepines were, by all accounts, implicated in the deaths of:
- Elvis Presley
- Paula Yates
- Michael Jackson
- Heath Ledger
- Brittany Murphy
- Amy Winehouse
- DJ AM (a.k.a. Adam Goldstein)
- Anna Nicole Smith
- Margaux Hemingway
- Don Simpson
- David Foster Wallace
- Whitney Houston
How anti-anxiety meds are killing celebrities
It used to be that hard drugs were the cause of celebrity overdoses…Of the celebrities who have overdosed on drugs in the past five years, eight appear to have taken prescription medications — specifically, a mix involving easily accessible anti-anxiety medications known as benzodiazepines or “benzos.”