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3.11の大震災とベンゾ


 

原発による放射線漏れで、高濃度汚染地域「ホットスポット」ができるように、被災地では、向精神薬の過剰処方による危険なホットスポットになっていないだろうか?それが心配です。

 

懸念すること

3月11日の大震災とそれに伴った津波や原発事故が非常に大きな悲劇をもたらしたことを皆さんはもちろん、よくご存知のことと思います。

多くの人たちの人生が一変し、仕事や家をなくし、また愛する家族や友人を亡くされた方も多くいます。

そのために、心に傷(トラウマ)ができ、不安や不眠などに悩まされている人たちは後を絶たないと思われます。

私はもともと、ベンゾジアゼピン処方による被害にあい、その上に東日本大震災にもあいました。震災にあった時に心配になったことは、トラウマに悩まされている被災地の多くの人たちが、ベンゾジアゼピンの処方をたくさん受けているのではないかということでした(今も心配しています)。

大震災の最中に、私はちょうど最高裁への上告理由書を書いていたところでした。せっかくでしたので、その機会を借りて、警鐘を鳴らそうと思い、下記の文を補記しました。

「東日本大震災の影響を受けて、トラウマなどの治療として、以前よりも多くのベンゾジアゼピンが処方されると想定できる。しかし、残念ながら投薬が長期に亘り(数ヶ月間以上)続くと、これらの人たちにとってまた別の地獄が訪れてくる可能性が十分にある。」(項目2.5参照)。

また、同じ上告理由書には、2010年8月28日に放送された「教育テレビ「ETVワイドともに生きる」薬物依存(第4弾)」というNHK番組の内容もアッピールしました。

この番組によると、「最近では心療内科で処方される向精神薬など処方薬を大量に飲む「過量服薬(オーバードーズ)」も注目されています。」


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現 状

果たして、上記の上告理由書で訴えた懸念については、馬耳東風で、全く何も考慮されませんでした。

その後は、予想通り、薬剤の問題を抱えている人たちの話が浮かびあがってき始めました。

その例のひとつは、2013年3月6日(水)にニュースウオッチ9で見た「避難生活3年目へ・追い込まれる住民」という特集番組でした。

この番組を見た時、私は、抗不安剤や睡眠剤により依存症に陥った人たちの問題に言及していたように思いました。インターネットで検索したところ、「不眠に悩んだり、睡眠薬に頼ったりする人は、住民の40%にのぼります。」という文章しか見つけられませんでした。私の聞き間違いかもしれませんが・・・・。

サイトを立ち上げて、より正確な情報(処方薬剤によって依存症に悩まされている人たちの数など)を提供しよう、そのためには更なるリサーチが必要だ、と考えていました。

しかし日本では、ベンゾジアゼピンの危険性について詳しい医療従事者は殆どいなく、厳密な調査が行われた可能性も低いし、調査は困難を極めるようなので、残念ながら、このリサーチはいまだにできないままになっています。

しかし、誰でもリスクをご自分で計算できるはずです。それほど難しいことではありません。下記のファクターを足す、あるいは掛け合わすだけで出来るのではないでしょうか。


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危険性のファクター

公 式

1. 大震災という異常な状況(影響の受けやすさ)
+
2. 日本国内の多量処方習慣
+
3. ベンゾジアゼピン系薬剤の中毒性
+
4. 適切な危険情報の少なさ/無知・無教育(医療者も患者も)
=
(ご自分でお答ください)

1. 震災という異常な状況(影響の受けやすさ)

被災地の多くの人たちが心的トラウマやストレス・不安に悩まされています(これは常識です)。

2. 日本国内多量処方習慣

最近では、特に心療内科で、多種類の精神に作用する打薬剤が大量に処方されます。その副作用で異常な症状が出ても薬剤を減らすのではなくて、その症状に対してまた薬剤が追加されます。そうして、処方薬剤がつぎつぎに大量になっていき「過量服薬(オーバードーズ)」になっています。(NHK教育テレビでも似たようなことが報道されています)。

「日本におけるベンゾジアゼピン系“抗不安薬(anxiolytic)”の平均消費量は、アジアの中ではイランに次いで最も多い。日本のベンゾジアゼピン系“催眠鎮静薬(sedative-hypnotic)”の平均消費量は、ベルギーを除くと世界のどの国よりも多い。」(出典:国際麻薬統制委員会2010年報告書)。

3. ベンゾジアゼピン剤の中毒性

「もしベンゾジアゼピンが定期的に2~4週間以上にわたり服用されるならば、耐性と依存が生じる可能性がある。最小投与量はなく、例えば耐性と依存は2.5mg~5mgのジアゼパムの定期的な服用後に見られたこともある。」(出典:ヘザー・アシュトン教授(英国、ニューカッスル・アポン・タイン大学名誉教授、臨床精神薬理学)。

4. 適切な危険情報の少なさ/無知・無教育((医療者も患者も)

「統合失調症の誤診やうつ病の過剰診断、尋常ではない多剤大量投薬、セカンドオピニオンを求めると怒り出す医師、患者の突然死や自殺の多発……。様々な問題が噴出する精神医療に、社会の厳しい目が向けられている。」(出典:読売新聞)。

また、アシュトンマニュアルの「翻訳を終えて」の内容もご参考ください。


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ご参考ください

「悲嘆は異常ではなく、正常な反応である」

(出典:薬のチェックは命のチェック

 

 

情報提供

私は医原性ベンゾジアゼピン中毒(依存症)と3月11日の大震災の影響の両方を経験してきましたので、当サイトのこのセクションでは、日本語の情報を提供し、被災者には少しでもお役に立ちたら幸いかと考えています。

医師たちとの連絡の取り合いにより、「薬のチェックは命のチェック」という医学情報のシリーズを知るようになりました。編集者らは、大震災時以来、被災者向けの情報を定期的に提供してきました。

下記の例をご参照ください。


薬のチェックは命のチェック速報

No.142:

大震災時の薬物療法の注意点

http://www.npojip.org/sokuho/110320.html

  • 抗不安剤、睡眠剤?大量使用者が急激な中断は危険
  • 抗不安剤、睡眠剤?依存症になりやすいので安易に開始しないで
  • SSRI系抗うつ剤(特にパキシル)?中断は危険、再開時も要注意

No.143:

大震災時の薬物療法の注意点(専門家向け)

http://www.npojip.org/sokuho/110322.html


No.144:

大震災時の薬物療法の注意点(3)

http://www.npojip.org/sokuho/110322-2.html

  • 愛する家族、友人を亡くされた方への対応法(悲嘆ケア)?
  • 抗うつ剤、抗不安剤は使わないように?

その後の出版(特集シリーズ)

上記の情報につづいて、「薬のチェックは命のチェック」の編集者らは、ベンゾジアゼピン剤や抗うつ剤の危険性についての特集をシリーズで出版しています。


No. 49

特集「不眠・不安・うつの薬」-ベンゾジアゼピンの作用と害(2013年1月)


No. 50

特集「発達障害」-子どもに使う薬剤の効果と害(2013年4月)


No. 51

特集「うつとくすり」悲嘆に向精神薬を使わないで(2013年7月)


これらの特集(No49、No51)には、アシュトンマニュアルの中心テーマであるベンゾジアゼピンの問題点や悲嘆についての内容が含まれています。

アシュトンマニュアルでは、「悲嘆」について、記憶障害遷延性離脱症状-不安のセクションに記載がありますので、ご参照ください。


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注 意

  • 当サイトで示されたいかなるアドバイスも、ベンゾジアゼピン中毒および離脱に精通した医師が提供するアドバイスの代わりとすべきではありません。
  • したがって、ここに示された情報の使い方については、常にあなた自身の責任において行なわれなければいけません(免責条項参照)。
  • いかなる薬剤も突然断薬することがないようにしてください。何らかの変更を検討する場合は、常にあなたの処方医に相談して下さい。

 

 


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日本語訳について

このサイトの主要言語は英語です。裁判で使用された日本語の原文を除き、日本語はすべて翻訳となっています。

その翻訳は私自身を含む複数の人によって手がけられました。従って、品質やスタイルなどに違いが見られます。

私の母国語は日本語ではありませんので何卒ご理解いただきたくお願い致します。その結果として、日本語が不自然に響く箇所があるかと思いますが、どうぞご了承ください。

臨床用量・・・

臨床用量のベンゾでは中毒にならないと思っていませんか?

考え直しましょう!

“もしベンゾジアゼピンが定期的に2~4週間以上にわたり服用されるならば、耐性と依存が生じる可能性がある。最小投与量はなく、例えば耐性と依存は2.5mg~5mgのジアゼピンの定期的な服用後に見られたこともある。”

ヘザー・アシュトン教授(英国、ニューカッスル・アポン・タイン大学名誉教授、臨床精神薬理学)。

ジョン・マースデン

「もし何かの薬を飲み続け、それが長い長い災難をもたらし、あなたからアイデンティティをまさに奪い去ろうとしているのなら、その薬はベンゾジアゼピンに違いない。」

ジョン・マースデン医師
ロンドン大学精神医学研究所
2007年11月1日

フィリップ・ウーラス

「我々の社会において、ベンゾは他の何よりも、苦痛を増し、より不幸にし、より多くの損害をもたらす。」

フィリップ・ウーラス下院議員
英国下院副議長
オールダムクロニクルOldham Chronicle (2004年2月12日)

The Ashton Manual

アシュトンマニュアル:世界的な専門家、ヘザー・アシュトン教授によって書かれた、ベンゾジアゼピン系薬剤と離脱法についての解説書。

このマニュアル内で示された離脱スケジュールは単に“一般的な指針”を示すために作成されたものであることを、あなたの処方医に伝えることが大切です。離脱の経験は人それぞれで、同じものがない。離脱の経過は多くのファクター(要因)に影響されるからです。

マニュアルを読む

A Great Doctor!

A doctor that took the time to listen…

Whilst residing in state housing in Nagano, as an evacuee from Fukushima, I consulted a local ENT about ear pain from overuse of earplugs.

As we got talking he learned of my situation with regards to being displaced by the 3/11 disaster and Fukushima nuclear accident.

As a result, he also learned that I was under some stress.

However, instead of labeling me with some fancy diagnostic term and prescribing me drugs, he sat down and we discussed possible solutions as to how to I might be able to relocate, get my job back, etc.

He did this after his surgery had closed over a cup of tea – what a great doctor and what a great guy!

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